「外壁塗装はまだするな!?」では、どのタイミングで塗装するのが最適なのか

外壁塗装は10年ごとに行うのが一般的といわれていますが、実際のところ、必ずしも10年が適したタイミングであるとは限りません。


誤ったタイミングで外壁塗装をすると、時間やお金が無駄になってしまうこともあるため注意が必要です。


ネット記事やSNSなどで「外壁塗装はまだするな」という見出しを目にしたことがある人もいるかもしれませんが、外壁塗装はタイミングの見極めが重要です。



今回は外壁塗装をするのに適したタイミングについて、外壁の状態や依頼する季節に応じた見極め方をご紹介します。




■「外壁塗装、まだするな」 なぜ??



そろそろ外壁塗装をしようと考えていても、タイミングによっては業者に「まだ必要ない」と言われてしまうかもしれません。



ここではなぜ「外壁塗装、まだするな」なのか、主な理由を3つご紹介します。



理由1:まだあまり劣化していない


外壁にひび割れや変色などがあると、「そろそろ塗り替えを依頼しなければ」と思うでしょう。


しかし、実際に業者に見てもらったところ、あまり劣化が進んでいないため「まだ塗り替えの必要はない」と言われるケースがあります。



ひび割れの場合、隙間が大きいものであれば外壁内部の補修を含めた塗り替えが必要です。


しかし、ほんの小さなものであればセメントやシーリング材で補修するだけで済むケースもあります。


また、外壁が変色していると思ったら、高圧洗浄で落とせる汚れだったというケースもあります。



ひび割れや変色などの外壁の変化は、塗り替えが必要な劣化であるか、程度を見極めることが大切です。



理由2:外壁塗装が難しい季節と、適した季節


外壁塗装には、季節や天候条件によって工事を避けるべき条件があります。


例えば「湿度が高すぎる」「気温が低すぎる」といった季節の場合、塗料の乾燥不良が起きやすくなり、仕上がりが悪くなってしまう可能性があります。


また、降水量が多い季節は工事がなかなか進まなかったり、強風が多い時期は汚れが付着し見栄えが悪くなったりする可能性もあるでしょう。



せっかく外壁塗装の工事を依頼しようと思っても、住んでいる地域の気候条件や依頼する時期によっては「今はやめておいたほうがいい」と言われてしまうかもしれません。



理由3:前回施した塗装塗料の耐用年数が長め


外壁塗装の塗料は、種類によって耐用年数が異なります。主な塗料の耐用年数の目安は次の通りです。



耐用年数が長い塗料であれば、前回の塗装から時間が空いていない場合「まだ塗り直す必要はない」と業者に判断される可能性が高いです。


ちなみに耐用年数が長い塗料は長期的にみると施工回数が少なく済むため、ランニングコストも安く抑えられるでしょう。



ただし上記の表はあくまでも目安で、メーカーや使用環境などによっては劣化が早まるケースや、逆に長持ちするケースもあることを理解しておきましょう。




■一人ひとり異なる、最適なタイミングの見分け方 外壁塗装の最適な依頼時期とは



外壁塗装は10年ごとという目安はあるものの、実際のところ、適するタイミングは家によって違います。



ひとつの目安としては、塗料の耐用年数を参考に考えるのがよいでしょう。


外壁の塗料は、耐用年数を過ぎると劣化によって本来の性能が損なわれる可能性が高くなります。


耐用年数が迫っている場合は、塗り替えを検討したほうがよいでしょう。



また、チョーキング現象が見られる場合も塗り替えの検討が必要です。


チョーキング現象とは、外壁を触った際にチョークのような白っぽい粉が手についてしまう現象をいいます。


チョーキング現象は外壁塗装の劣化のサインであるため、もし見られる場合は早めに業者に連絡をしましょう。




■【季節ごとのメリット・デメリット】塗装しやすい季節とは



外壁塗装工事をどの季節に行うかを判断するには、それぞれメリットとデメリットを知っておく必要があります。


ここでは季節ごとのメリットとデメリットを紹介するので、塗り替えを依頼する際は参考にしてみてください。



・春の場合


春は大雨や強風になることが少なく、気温も温暖で安定しているため工事を進めやすいのが大きなメリットです。


ただし、北海道などの寒冷地の場合は春でも気温が低いため、気温が5℃を下回ると塗料の乾燥が進まない点はデメリットとなります。


しかし、ほとんどの地域では春は外壁塗装に適した季節といえます。



・夏の場合


夏は気温が高いため、塗料の乾燥が進みやすいというメリットがあります。


しかし、梅雨明けをしなければ夏でも雨が多く、梅雨が明けても夕立やゲリラ豪雨の心配もあるため、雨があたる場所ではなかなか工事が進まないでしょう。


また、35℃以上の猛暑日が続く場合、塗料に気泡ができてしまい見栄えが悪くなるというデメリットもあります。



・秋の場合


秋は春と同じく天候が安定していることが多いため、外壁塗装にはメリットの多い季節であるといえます。


ただし台風が発生しやすい季節でもあるため、台風の接近や上陸が心配される場合はなかなか工事が進まない可能性がある点はデメリットといえるでしょう。



・冬の場合


冬は空気が乾燥しているため、塗料の乾燥が進みやすいというメリットがあります。


気温が5℃を下回らない地域であれば、外壁塗装に適した季節であるといえます。


しかし、気温が低いと塗料が乾燥不良を起こすため、一部の温暖な地域を除いては塗装に向きません。




■【例外!早めの実施がおすすめ】住宅を売却予定が数年以内、資産価値向上に向けた外壁塗装の場合



仮に塗料の耐用年数にまだゆとりがある場合でも、数年以内に自宅を売却する予定があるのであれば、外壁塗装を行った方がいいケースもあります。



外壁塗装をしてから売却する際、「売却予定価格 − 外壁塗装費用」の価格が「外壁塗装をしなかった場合の売却予定価格」よりも高値の場合は、「外壁塗装によって資産価値が向上するケース」といえます。



外壁塗装をしてから売却活動をすると、外観がキレイになることで印象が良くなり、早期売却につながるかもしれません。


また、定期的にメンテナンスをしていることをアピールできるため、高値で売却できる可能性も高まります。



ただし、塗装した色が買主の好みでない場合はマイナスに働いてしまうこともあるため、売却を予定している場合は奇抜な色の塗装は避けたほうがよいでしょう。




【まとめ】最適な時期の外壁塗装を一人ひとり見極め、塗装コストを最適化しよう!



外壁塗装をするタイミングは塗料の耐用年数はもちろん、チョーキング現象やひび割れの程度など、さまざまな要素から総合的に判断することが大切です。


また、売却を視野に入れている場合も、塗り替えのタイミングを適切に見極める必要があります。



しかし、外壁塗装の最適なタイミングは自分だけの判断では難しい場合も多いでしょう。


外壁塗装のタイミングに不安がある場合は、まずは信頼できる業者に外壁の状態を見てもらいましょう。



業者に相談して「まだ早い」と言われれば、外壁塗装は先延ばしにしても問題ありません。


しかし、すぐに塗装が必要な状態にも関わらずに放置してしまうと、雨漏りなどで補修箇所が広がり、大掛かりな工事が必要になり費用負担も大きくなってしまいます。



外壁塗装の最適なタイミングを見極めて、塗装コストを最適化できるようにしましょう。