外壁・屋根塗装の色選びで意識すべき「面積効果」について詳しく解説!

皆さん、こんにちは。

栃木県足利市に拠点を構え、外壁塗装を手がける株式会社オオヤマです。


前回の記事(https://garden-ex.jp/blog/paint/149799)では、外壁の色選びのポイントをご紹介しました。その際にも少し触れましたが、色選びの際に必ず押さえておくべき知識に「面積効果」があります。面積効果の影響は非常に大きく、配慮した色選びができるかどうかで、外壁の見栄えはまったく変わってくるのです。今回は面積効果の影響や、配慮した色選びのポイントについて詳しく解説します。




■面積効果って何?



面積効果とは、簡単にいうと「面積が大きくなるほど色の持つ特徴が強調されて見える錯覚」のことです。要するに明るい色はより明るく、暗い色はより暗く。そして鮮やかな色はより鮮やかに、落ち着いた色はより落ち着いて見えます。この効果があるために、小さな色見本を参考にして広い外壁の色を選ぶと、思っていたのと違う色になりやすいのです。


では、なぜこのような錯覚が起きるのでしょうか? その原因は目の構造にあります。そもそも「モノが見える」というのは、目の角膜や水晶体を通って入ってきた光が網膜上に映し出され、網膜内の「視細胞」によって電気信号に変えられ、視神経を通って大脳に伝達→色や形を認識するという仕組みです。


ところが、網膜内の視細胞は均等に配置されていません。そのため、像を映し出せない部分や特定の色の判断力が弱い部分があります。こういった網膜の特性や眼の複雑な構造により、モノの色や形などの見え方は、距離や明るさによって変わることが判明しているのです。まだすべてが解明されているわけではないのですが、色面積が小さくなると、色の明るさや鮮やかさの感度は低下すると考えていいでしょう。




■面積効果によって色の見え方はどう変わる?



面積効果の影響を知るためには、実際に色の面積を変えて確認するのが1番です。そこで、明るい色と暗い色に分けて、小さい画像と大きい画像を見比べてみましょう。



・明るい色



黄色やオレンジといった明るい色は、面積が大きくなるとより明るく、そしてより鮮やかに見えます。以下の2つの画像をご覧ください。



多くの方は、面積が大きい方が明るく鮮やかに見えるかと思います。そのため、小さな色見本だけを参考に明るい色を選ぶと、施工後に「何だか派手すぎない?」「ちょっと目がチカチカする」といった事態になりがちです。



・暗い色



黒やグレーといった暗い色は、面積が大きくなるとより暗く、そしてより落ち着いて見えます。大小の画像を比較してみましょう。



小さい面積でも十分暗く感じられますが、大きい面積になるとさらに暗く、重い印象になるかと思います。小さな色見本だけを参考に暗い色を選ぶと、実物は予想以上に暗くなってしまい、「いくら何でも渋すぎじゃない?」と感じるかもしれません。


このように、明るい色と暗い色はまったく逆の性質を持っています。外壁塗装の色選びの際は、面積効果について知っておくだけで、より理想に近い色を選びやすくなるのです。




■面積効果を考慮して色を選ぶ時のポイント



面積効果を知らずに色を選ぶと失敗しがちですが、知ってさえいれば対策が可能です。面積効果を考慮して色を選ぶためには、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。



・一段回暗め、明るめの色を選択する



面積効果によって色の見え方が変わるということは、あらかじめそれを計算に入れて色を選べば、実物の壁はちょうどいい色になる可能性が高いということです。明るい色は一段階暗め、暗い色は一段階明るめの色を選択しましょう。



・A4サイズ以上の色見本で確認する



一般的な色見本のサイズは、1㎝×4㎝や3㎝×7㎝など非常に小さいものです。実際の外壁の面積はその数千倍にもなるため、面積効果の影響も想像以上に大きくなります。イメージと食い違いが生じるのも、ある意味当然かもしれません。


そこで対策として、塗装業者に大きめの色見本を用意してもらいましょう。おすすめは、21㎝×29.7㎝のA4サイズの色見本です。多くの場合は、事前に頼んでおくと無料で用意してもらうことができ、実際に外壁に当てて確認すると非常にイメージが湧きやすくなります。


ただし、A4サイズでも実物とまったく同じになるわけではありませんし、一段階変えてもちょうどいい色になるとは限りません。この辺りの判断は業者の能力次第なので、経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。




■外壁塗装の色選びのコツ【錯視をうまく利用しよう】



上記のポイントを理解すれば、面積効果の影響を最小限に抑えた色選びができるでしょう。しかし、目の錯覚である「錯視」を引き起こすのは、面積効果だけではありません。錯視は時に厄介ですが、うまく利用すればメリットにもなります。主な錯視の種類と、意識しておきたい場面をご紹介します。



・明度対比



明度対比とは、隣接する色の影響によって、色の明るさが違って見える現象です。たとえば、背景色が暗い色(黒っぽい色)だと、中にある色は明度が強調されてより明るく見えます。逆に、背景色が明るい色(白っぽい色)だと、中にある色は暗く見えるのです。


明度対比は、外壁を2種類の色で塗り分けるツートンカラーを選ぶ際に意識する必要があります。落ち着いた色と明るめの色を隣り合わせる場合は、明るい方の色をワントーン暗くするのがポイントです。反対に、落ち着いた色と暗めの色を隣接させるなら、暗めの色はワントーン明るくしましょう。



・色相対比



色相対比とは、色が背景色の影響を受けて違った色に見える現象です。これは、ある色をじっと見た後に別の色を見ると、正反対の色相の色(補色)が残像として現れる「心理補色」が関係しています。


たとえば、黄色の補色は青紫です。そのため、黄色の背景色の中に緑色が使われていると、緑色の部分は青紫と混色されたように感じられます。これは外壁材を重ねたり張り合わせたりする際、つなぎ目部分である目地の色選びにおいて考慮する必要があります。



・彩度対比



彩度対比とは、彩度(鮮やかさ)の異なる色が影響し合い、色の鮮やかさが変わって見える現象です。背景色の彩度が高いと、中にある色の彩度は低く見え、落ち着いた印象になります。反対に背景色の彩度が低いと、中にある色の彩度は高く見え、鮮やかな印象になります。


つまり、内側の色を鮮やかに見せたい時は、背景色よりも彩度が高い色を選べばいいのです。外壁以外の部分や周辺の景観の彩度もチェックしてみるといいでしょう。



ここまで見てきたように、外壁の色選びには実に奥が深いものです。最適な色を選ぶためには、面積効果をはじめとしてさまざまなポイントに目を向ける必要があります。外壁塗装をする際は、色の実際の見え方に精通した専門業者に相談しましょう。


足利市のオオヤマは、地域密着で塗装工事を承っております。地元の環境や気候条件を知り尽くしているため、それに適応した長持ちする外壁塗装ができるのが強みです。的確なお見積もりや丁寧な工事にも定評があり、どのようなお客様からもしっかりとヒアリングを行い、プランのご提案から施工まですべてをユーザー目線で行っています。


このような姿勢を貫いているからこそ、場所や工程を問わず品質の高い施工を実現できるのです。工事の内容や費用、仕上がりに関して気になる点があれば、ご納得いくまでご説明させていただきます。外壁塗装に関するお悩みや工事のご希望がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。